現実という名の怪物と戦う私
どうして僕だけがこんなに辛いのかといつも思ってた 周りの人ばかり幸せそうに見えた
お店でラジオをつけていたらこんな歌詞が流れていた。高橋優さんの曲だ。
どうして私だけなのだろう。どうして私だけ、親に捨てられたのだろう。どうして私だけ殴られないといけないのだろう。考えだすとキリがない。どうして私だけこんな仕事をしないといけないのだろう。
昔は、違う考えを持っていた。
他にも辛い人はもっといる、と思ってた。
けど、その考えをもつことは自滅につながる。
もっと頑張らなきゃ、のサイクルは自らを殺す。
中学時代に突然自殺した親友もいれば、生きるか死ぬかの中で毎日を必死で生きてるあなたがいて、死にたいがためにニコ中となりヤク中となった友達もいる。ちなみに私の母は、2人目の父が出て行った時にこう言った。
死のっか
一晩考えさせてくれと頼んだ。借金の身元引受け人となった私たちに、生きる道はなかった。
けれど、その時あなたを思い出した。絶対に生き抜いてみせると私に約束した、あなたを思い出した。
失ったもの指折り数えたのそのあとで 今ある希望とこれから手にする光を 数えてみるんだ
今ある希望とこれから手にする光は、きっと他人よりずっと少ない。
今でも借金はある。父親はまだ見つからない。そして私が恋した人と私が結ばれることは、きっと、ない。
けれど私は、そんな中で生きるのも悪くないと思った。そんな中でこそ、精一杯生きようと思った。
「私が借金を返す。お父さんも見つける。だから、生きよう。あとちょっとだけ」
そう返事した。
今日も私は、バカな女を演じて酒を飲ませる。
この自分はすごく嫌いだ。好きな人には絶対に言えない。
けれど、この生きようともがく姿が、人間らしくて、好きだ。